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井田大介 個展「SYNOPTES」
このたび、TEZUKAYAMA GALLERYでは井田大介の個展「SYNOPTES(シノプテス)」を開催します。
井田大介は1987年鳥取県生まれ、東京都在住。2015年東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。2022年にはソウル市美術館で開催された「Grid Island」への参加。現在、熊本市現代美術館で開催中の企画展「遠距離現在 Universal / Remote」にも出展するなど、国内外で活躍しています。
井田は彫刻という表現形式を問いながら、彫刻・映像・3DCGなど多様なメディアを用いて、目には見えない現代社会の構造や具体的な事象、そこで生きる人々の意識や欲望を視覚化してきました。2016年からは世界中の人々がインターネット上にアップロードしている匿名的な画像を素材として、インターネット以降のモノや身体の在り方を彫刻する「Photo Sculpture」を継続的に制作しています。また、近代化・グローバル化が進行する中で広がりをみせる貧富の格差や過度な生産性の重視などをテーマとして扱い、社会システムの歪み、そこから生まれる摩擦やジレンマを顕在化させる試みを作品制作を通して続けています。
これらの活動は「細部」を考察し、そこを出発点とすることで、リアリティーを持った個人の存在が、どのように「全体」である世界と接続しているのか、または繋がっていくのかを考える作家個人の問題意識と捉えることができます。井田は、自身が生きてきた時代性や地域性を背景にしながら、大量の〈宿題〉を抱えた社会や世界に対し、ユーモアとフィクションを交えながら様々な「問い」を鑑賞者に投げかけます。
2019年にTEZUKAYAMA GALLRYで開催した個展「着られた指」では、ジャンルとしての「近代彫刻」が社会の近代化の流れにのみ込まれ、失効してゆくなかで、彫刻に代わって「理想の人体」の表象を担ってきた「マネキン」に着目した作品を発表しました。3Dプリンタやレーザーカッターに代表されるデジタル工作機以降の彫刻表現を受け入れ、自己言及してきた作家の1人でもある井田が、消費社会のなかで流通する複製された商品と、複写されたイメージによって絶え間なく解体、変容してゆく「理想の人体」像を反映させたマネキンを、21世紀のデータ彫刻の「起源」として扱い、遡ろうとしたのは必然だったと言えるでしょう。
本展では、ポストコロナにおける身体性や視点の変化(現実の中に仮想が入り込む事で現実が仮想的に見えることなど)と、監視社会をテーマとした作品を発表します。本展のタイトル「SYNOPTES(シノプテス)」は、ギリシャ神話に登場する複眼の巨人「アルゴスパノプテス」と、ノルウェーの社会学者トマス・マシーセンが提唱している「Synopticon(シノプティコン)」という概念を掛け合わせた造語です。18世紀に登場した監視システムを指す言葉「パノプティコン」の語源にもなった複眼の巨人の神話を下敷きにし、井田は現代に生きる我々の姿を彫刻します。
TEZUKAYAMA GALLERYでは4年ぶりとなる、井田大介の個展「SYNOPTES(シノプテス)」を是非ともご高覧下さいませ。
井田大介は1987年鳥取県生まれ、東京都在住。2015年東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。2022年にはソウル市美術館で開催された「Grid Island」への参加。現在、熊本市現代美術館で開催中の企画展「遠距離現在 Universal / Remote」にも出展するなど、国内外で活躍しています。
井田は彫刻という表現形式を問いながら、彫刻・映像・3DCGなど多様なメディアを用いて、目には見えない現代社会の構造や具体的な事象、そこで生きる人々の意識や欲望を視覚化してきました。2016年からは世界中の人々がインターネット上にアップロードしている匿名的な画像を素材として、インターネット以降のモノや身体の在り方を彫刻する「Photo Sculpture」を継続的に制作しています。また、近代化・グローバル化が進行する中で広がりをみせる貧富の格差や過度な生産性の重視などをテーマとして扱い、社会システムの歪み、そこから生まれる摩擦やジレンマを顕在化させる試みを作品制作を通して続けています。
これらの活動は「細部」を考察し、そこを出発点とすることで、リアリティーを持った個人の存在が、どのように「全体」である世界と接続しているのか、または繋がっていくのかを考える作家個人の問題意識と捉えることができます。井田は、自身が生きてきた時代性や地域性を背景にしながら、大量の〈宿題〉を抱えた社会や世界に対し、ユーモアとフィクションを交えながら様々な「問い」を鑑賞者に投げかけます。
2019年にTEZUKAYAMA GALLRYで開催した個展「着られた指」では、ジャンルとしての「近代彫刻」が社会の近代化の流れにのみ込まれ、失効してゆくなかで、彫刻に代わって「理想の人体」の表象を担ってきた「マネキン」に着目した作品を発表しました。3Dプリンタやレーザーカッターに代表されるデジタル工作機以降の彫刻表現を受け入れ、自己言及してきた作家の1人でもある井田が、消費社会のなかで流通する複製された商品と、複写されたイメージによって絶え間なく解体、変容してゆく「理想の人体」像を反映させたマネキンを、21世紀のデータ彫刻の「起源」として扱い、遡ろうとしたのは必然だったと言えるでしょう。
本展では、ポストコロナにおける身体性や視点の変化(現実の中に仮想が入り込む事で現実が仮想的に見えることなど)と、監視社会をテーマとした作品を発表します。本展のタイトル「SYNOPTES(シノプテス)」は、ギリシャ神話に登場する複眼の巨人「アルゴスパノプテス」と、ノルウェーの社会学者トマス・マシーセンが提唱している「Synopticon(シノプティコン)」という概念を掛け合わせた造語です。18世紀に登場した監視システムを指す言葉「パノプティコン」の語源にもなった複眼の巨人の神話を下敷きにし、井田は現代に生きる我々の姿を彫刻します。
TEZUKAYAMA GALLERYでは4年ぶりとなる、井田大介の個展「SYNOPTES(シノプテス)」を是非ともご高覧下さいませ。
参加ギャラリー (クリックして作品をみる)
Yamazaki Bldg. 2F, 1-19-27 Minami-Horie, Nishi-ku, Osaka, JAPAN