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大江慶之 個展「くちびるがお好みの味すんねん」

この度、TEZUKAYAMA GALLERYでは大江慶之の個展「くちびるがお好みの味すんねん」を開催いたします。

大江慶之は1980年に大阪府に生まれ、現在も大阪を拠点に活動しているアーティストです。
作家としてデビューをした当初から自画像を中心とした絵画作品を発表してきましたが、2007年から並行して立体作品も発表するようになります。

これまでに台湾、ニューヨーク、ロンドン、バーゼルといった国外でも発表を重ねるなど、精力的に活躍しています。

大江は視点を変えることで、そのものが持つ意味や認識が変化するという事に関心を抱き、作品制作を行ってきました。異質なモチーフを組み合わせる事で固有の文脈から切り離した状態にし、新たなイメージへと転換させます。大江の立体作品には骸骨、鶏頭、昆虫、爬虫類など様々なモチーフがメタファーとして組み込まれています。コラージュ的に構成されたモチーフ同士の関係性に注意深く思考を巡らせる事で、作品は多様な解釈やストーリーへと繋がりを見せます。

2007年以降は主に立体作品を中心に発表を重ねてきた大江ですが、今展は絵画作品に焦点を当てた初の個展となります。
昨年より大江が手掛けている絵画作品には、壁にマスキングテープで貼り付けたドローイングや立体作品のマケットを思わせる構造物などがモチーフとして登場します。しかし、それは作家の内省的な部分を語るために取捨選択されたモチーフというよりは、それらから一定の距離を保ちながら、冷静にその状況を眺めている大江自身の視点である事を説明するとともに、大江の絵画作品に対する独自の思考を画面から読み取ることができます。

作家が目にした対象をキャンバスにアクリルという単一の素材(あるいは、絵画を構成する最小限の素材)に置き換えるという行為は、大江にとって単なる物質の転換を指すのではなく、ドローイングや立体のマケットといった作家にとって私的なものたちを絵画の枠組みの中で構成し直す事によって、統制されたキャンバスの中でのみ成立する視覚言語を付与し、異なる視点や解釈を生み出そうとしていると考えられます。

今展では全て新作のペインティング作品を30点以上展示いたします。
是非、この機会にご高覧下さいませ。

参加ギャラリー (クリックして作品をみる)

Yamazaki Bldg. 2F, 1-19-27 Minami-Horie, Nishi-ku, Osaka, JAPAN

作品