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厚地朋子・石井佑果 「3cmと3km − 対岸を眺める −」
このたび、TEZUKAYAMA GALLERYでは厚地朋子(b.1984)と石井佑果(b.1995)による絵画展「3cmと3km ー対岸を眺めるー」を開催いたします。
厚地は1984年に生まれ、京都府で育ちました。2010年に京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画領域油画専攻を修了後、京都を拠点に活動をしてきました。厚地の作品は遠近法といった簡潔明確な思考方法だけでは捉えきれない、目の前に広がる空間を絵画に置き換えて表現しています。画面の内外に複数の消失点や光源が存在し、時間や空間が連なって立ち上がるひとつの「壁」のような世界として描かれます。近年は旅先で見た風景、何気なく撮った写真、思い出や記憶、感情、思想など自身の内と外に存在している対象に目を向け、より内省的な印象を伴った絵画作品を発表しています。
石井は1995年に香川県に生まれ、昨年に東京藝術大学大学院美術研究科絵画学科油画専攻を修了後、現在は東京を拠点に活動しています。石井の作品は絵画が成立するための構造、視覚的アイデアの考察·検証をテーマに制作しています。果物や植物、壺や風景などのステレオタイプな西洋絵画を連想させるモチーフや筆致の引用、あるいはアルファベットやトランプカード、ピアノの楽譜といった記号的な要素も扱いながら、無数にある選択肢の中から過不足なく絵画として自立する組み合わせや構図を、エスキースの段階で注意深く組み立てたうえでキャンバスに描き切ります。
個人的な物事を対象に、キャンバス上でおこる色彩や形の響き合い、筆跡から絵が自らの仕上がりを決定していくような方法で描く事で、画家の感情すらも吐露する厚地の作品に対して、絵画の構造やそれを支える要素を俯瞰で捉えながら、インストラクション的な絵画空間を構築することで鑑賞者を煙に巻くかのような印象を与える石井の作品は、絵画制作における「見る」と「描く」という関係性の捉え方、重点の置き方において対照的に映るかも知れません。しかし、両者の作品からは「絵を描く」行為を通して、思考を重ね、この世界を測ろうとする共通した眼差しが確かに感じ取れます。
是非、この機会にご高覧賜りますようお願い申し上げます。
厚地は1984年に生まれ、京都府で育ちました。2010年に京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画領域油画専攻を修了後、京都を拠点に活動をしてきました。厚地の作品は遠近法といった簡潔明確な思考方法だけでは捉えきれない、目の前に広がる空間を絵画に置き換えて表現しています。画面の内外に複数の消失点や光源が存在し、時間や空間が連なって立ち上がるひとつの「壁」のような世界として描かれます。近年は旅先で見た風景、何気なく撮った写真、思い出や記憶、感情、思想など自身の内と外に存在している対象に目を向け、より内省的な印象を伴った絵画作品を発表しています。
石井は1995年に香川県に生まれ、昨年に東京藝術大学大学院美術研究科絵画学科油画専攻を修了後、現在は東京を拠点に活動しています。石井の作品は絵画が成立するための構造、視覚的アイデアの考察·検証をテーマに制作しています。果物や植物、壺や風景などのステレオタイプな西洋絵画を連想させるモチーフや筆致の引用、あるいはアルファベットやトランプカード、ピアノの楽譜といった記号的な要素も扱いながら、無数にある選択肢の中から過不足なく絵画として自立する組み合わせや構図を、エスキースの段階で注意深く組み立てたうえでキャンバスに描き切ります。
個人的な物事を対象に、キャンバス上でおこる色彩や形の響き合い、筆跡から絵が自らの仕上がりを決定していくような方法で描く事で、画家の感情すらも吐露する厚地の作品に対して、絵画の構造やそれを支える要素を俯瞰で捉えながら、インストラクション的な絵画空間を構築することで鑑賞者を煙に巻くかのような印象を与える石井の作品は、絵画制作における「見る」と「描く」という関係性の捉え方、重点の置き方において対照的に映るかも知れません。しかし、両者の作品からは「絵を描く」行為を通して、思考を重ね、この世界を測ろうとする共通した眼差しが確かに感じ取れます。
是非、この機会にご高覧賜りますようお願い申し上げます。
Galleries (Click to see works)
Yamazaki Bldg. 2F, 1-19-27 Minami-Horie, Nishi-ku, Osaka, JAPAN