企画展『Acts of Care』 第2期:ヘルッタ・キイスキ『Plasticenta』

『Acts of Care』第二期では、 KANA KAWANISHI GALLERYにて、2025年3月22日(土)よりヘルッタ・キイスキ個展『Plasticenta』を開催いたします。

展覧会のタイトルに冠された『Plasticenta(プラスチセンタ)』 は、ヒト胎盤からマイクロプラスチック粒子が発見されたという新たな研究から着想を得ており、胎盤から抽出されるエキスである「プラセンタ」と「プラスチック」を組み合わせた造語です。写真を用いたミクストメディア・インスタレーションで知られるキイスキの作品は、地球との複雑な関係や、他の種や環境との共存のあり方をテーマにおいています。

"「Plasticenta」は地球上のあらゆる生命体が互いに調和しながら混ざり合い、既存のヒエラルキーを変容させながら、種間の新たな同盟関係を夢見る、もうひとつの未来を想像している。作品は、人間と非人間、有機物と無機物、生物と無生物の新たな親和性を描いている。"
(NOON Projects(ロサンゼルス・アメリカ)『Plasticenta』展リリーステキストより抜粋)

キイスキは、10年以上に渡り2人の娘と姪と共同で作品を制作していますが、写真シリーズ〈Plasticenta〉と映像作品《Hydra》も、娘たちと共同制作でつくられました。「2人の少女の愛と友情、そして離島で発見された不死のポリプ『ヒドラ』との関係を探求する」という映像作品《Hydra》は、フィンランドのインディーシーンを代表する音楽家LAU NAUが音楽を担当し、抽象と具象のあわいで鑑賞者の想像力を喚起するかのようです。また本展では、キイスキが東京滞在中にみつけたテキスタイルを用いたサイトスペシフィックなインスタレーションも予定しています。

写真、映像、テキスタイルなどのインスタレーションを組み合わせ、青春や愛情や家族などの枠組に魔術的、神話的、秘教的な要素もボーダーレスに紡ぎ出すヘルッタ・キイスキの、日本初個展に是非ご期待ください。


【アーティストプロフィール】

ヘルッタ・キイスキ

ヘルッタ・キイスキの作品は、人間と非人間的なもの、有機的なものと無機的なものとの新たな親和性を夢想し、既存のヒエラルキーを変容させる。写真、映像、テキスタイル、インスタレーションは、魔術的、神話的、秘教的な側面を持つ若さと愛の枠組みの中に存在する。若さそのもののように、キイスキの作品は白昼夢と不安の間の不安定な状態にある。彼女の作品の多くは、愛犬や娘たちとの共同作業によって生み出されている。

フィンランド・トゥルク在住。ヘルシンキ芸術大学で修士号(2015年)、トゥルク芸術アカデミーで写真学士号(2012年)を取得。ヘルシンキ現代美術館(フィンランド、2024年)、NOON Projects(アメリカ、2023年)、SEA Foundation(アメリカ・ネバダ州、2023年)、ハフナルボルグ美術館(アイルランド、2020年)、フィンランド写真美術館(フィンランド、2019年)など世界各国で作品を発表。ケーラー社(ドイツ)より3冊の作品集を上梓。

Galleries (Click to see works)

4-7-6 Shirakawa, Koto-ku, Tokyo

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