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Joanna Piotrowska ジョアンナ・ピオトロフスカ "砦”

この度HAGIWARA PROJECTSでは、3月25日よりポーランド出身の写真家ジョアンナ・ピオトロフスカの個展「砦」を開催します。作家にとって日本での初個展となります。

ロンドンを拠点に活動するピオトロフスカは、近年テート・ブリテンやクンストハーレ・バーゼルにて相次いで個展を開催し、2018年のニューヨーク近代美術館(MoMA)、2022年のヴェネツィア・ビエンナーレの企画展 「The Milk of Dreams」、同年のリヨンビエンナーレに参加するなど、現在最も注目される若手作家の一人です。

ピオトロフスカは、家族の構造や人間の行動と、社会、文化的生活を含む広いシステムとの関係性に焦点を当てた写真作品を制作しています。奇妙に絡み合う身体や、護身術のマニュアルにある身振りや動作を行う女性を撮影した作品は、優しく親密な日常のジェスチャーを、解放と抑圧という新しいシナリオに変換します。

本展で紹介するのは、大人たちが自宅で家具や調度品を使って造作した “シェルター”を撮影したシリーズです。シェルターは、砦作りや秘密基地といった子供の遊びを思い起こさせますが、大人が関わる場合は家庭内での権力の階層、不安、押し付けられた慣習、そして更には政治的、経済的な要因により拡大する不平等の概念までもつきつけます。
本展で紹介するもう一つのシリーズ「Enclosures」は、動物園の檻や囲いを撮影した作品です。動物の生活を「豊かに」するために人間が設計した玩具やオブジェを撮影し、保護と抑圧の間に働く二項対立をさらに際立たせています。

ピオトロフスカは、心理的で不穏さを持つ緊張感のある画面で、家族や社会の複雑で曖昧な関係性に問いを投げかけます。この機会にぜひご高覧ください。

ジョアンナ・ピオトロフスカ Joanna Piotrowska
1985年ポーランド生まれ、ロンドン在住。Royal College of Art (ロンドン)と美術アカデミー(クラコウ)で写真を学ぶ。主な個展に、Kestner Gesellschaft(2022, ハノーヴァー, ドイツ)、Thomas Zander (2021, ケルン)、Madragoa Gallery (2020,リスボン)、「All our false devices」Tate Britain(2019, ロンドン)、「Stable Vices」Kunsthalle Basel(2019,バーゼル)、「Frieze London」Southard Reid booth( 2018,ロンドン)、「Art Basel Statements」Dawid Radziszewski booth(2018, バーゼル)など。また主なグループ展に「The Milk of Dreams」第59回 ヴェネツィア・ビエンナーレ (2022, ヴェネツィア)、リヨン・ビエンナーレ (2022, リヨン)、「British Art Show IX」Hayward Gallery(2021, ロンドン)、「60 years」 Tate Britain(2021,ロンドン)、「Yorkshire Sculpture International」Leeds Art Gallery(2019,リーズ)、「Being: New Photography 2018」MoMA(2018, ニューヨーク)、「Give Me Yesterday」プラダ財団( 2016, ミラノ)など。

Galleries (Click to see works)

1-13-6-1F Tokiwa, Koto-ku, Tokyo

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