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和田直祐 個展「Pathway」

この度、TEZUKAYAMA GALLERYでは和田直祐の個展「Pathway」を開催いたします。

和田直祐は1983年兵庫県に生まれました。2013年に京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)大学院芸術研究科を修了。その後は京都を拠点に活動を続けてきましたが、幅広い活動を求め大阪に拠点を移し、精力的に制作を行っています。ギャラリーやアートフェアでの作品発表だけに留まらず、昨年3月にオープンしたホテル「REF(レフ)京都八条口」のロビーと客室に大型作品を納めるなど、広く注目を集めています。

和田の作品は薄く溶いた絵の具を幾層にも塗り重ねる古典絵画の技法「グレージング」を参照しながら、光と空間性をテーマに、高透明のメディウムを用いて独自の絵画表現の構築を試みています。透過性の高いレイヤーを何層にも重ねる事で生まれる繊細な色層と奥行きを持った画面は、光そのものを内包し、鑑賞する距離や視点の位置によって形や色が微量に変化します。漂流し続ける氷河のように流動性を伴う鑑賞体験を生み出し、見るという行為への再考を促します。また、蜃気楼や霞のようにゆらゆらと現れては消える色彩の揺らぎは、人が認知し得ない微粒子レベルで常に変化が繰り返されている事を示唆すると共に、鑑賞者それぞれの記憶や心象と静かに結び付きます。

今回の個展では、基本的な作品の作り方は前述の流れを汲みながらも、作品を形成している支持体の一部が欠損していたり、消失、収縮、湾曲と時間経過の中で起こる物質的な変化を抽出し、構造の不安定さを取り込む事で作品に新たな緊張感を生み出しています。今展を通して、欠けている色や形を想像力で補完する事を鑑賞者と共有したいと作家は話します。静謐に佇む作品の奥に鑑賞者はどんな景色を見出すでしょうか。TEZUKAYAMA GALLERYでの初個展となる和田直祐の個展「Pathway」を是非ともご高覧くださいませ。

参加ギャラリー (クリックして作品をみる)

Yamazaki Bldg. 2F, 1-19-27 Minami-Horie, Nishi-ku, Osaka, JAPAN

作品